酸化・還元の定義〜水素・酸素・電子の3パターン〜

目次

はじめに

【プロ講師解説】このページでは『酸化・還元の定義〜水素・酸素・電子の3パターン〜』について解説しています。


電子eに関する定義

  • 電子eに関する酸化・還元の定義は次の通りである。
酸化電子eを失う
還元電子eを得る
  • 物質が電子eを失うことを酸化、電子eを得ることを還元という。
  • また、電子eを失った物質は「酸化された」、電子eを得た物質は「還元された」という。
  • 電子に関する定義の他に「酸素O原子を得ると酸化、失うと還元」「水素H原子を失うと酸化、得ると還元」という定義もあるが、これらはいずれも電子eの移動を使って説明することができる。

酸素O原子に関する定義

  • 酸素O原子に関する酸化・還元の定義は次の通りである。
酸化酸素O原子を得る
還元酸素O原子を失う
  • 原子Aが酸素O原子と結合する場合を考える。酸素O原子は他の原子と比べて電気陰性度が大きいため、共有電子対は酸素O原子の方に引きつけられる。
  • よって、原子Aは酸素O原子に電子eを奪われたことになるため、「酸素O原子と結合する(酸素O原子を得る)=電子eを失う=酸化される」と考えることができる。

水素H原子に関する定義

  • 水素H原子に関する酸化・還元の定義は次の通りである。
酸化水素H原子を失う
還元水素H原子を得る
  • 原子Aが水素H原子と結合する場合を考える。水素H原子は多くの原子と比べて電気陰性度が小さいため、共有電子対は原子Aの方に引きつけられる。
  • よって、「水素H原子が離れる」ということは、原子Aにとって手に入れたはずだった電子eを失うことになる。
  • よって、「水素H原子を失う=電子eを失う=酸化される」と考えることができる。

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著者情報

元講師、薬剤師、イラストレーター
数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。
2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営
公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆
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