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窒素の単体と化合物の性質・製法

約 6 分
窒素の単体と化合物の性質・製法

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単体

窒素の単体について、知っておかなければいけないことは次の4つ。

空気中に多く含まれる

空気を構成する気体の約80%は窒素だ。

次に多いのが酸素O2、その次がアルゴンAr、残りの1%程度は様々な気体が混ざったもので構成されている。

無色無臭の中性気体

窒素は無色無臭の中性気体だ。
気体の色や臭いなどについて詳しくは「気体の性質〜色・臭い・毒性・溶かしたときの液性まとめ〜」を見てみてね!

工業的製法

窒素の気体を工業的に作る際は、液体空気を分留する。

実験室的製法

窒素の単体を実験室内で作る際は、亜硝酸アンモニウムNH4NO2を熱分解する。

NH4NO2 → N2 + 2H2O

化合物

水素化物「アンモニアNH3

アンモニアについて知っておいてほしいのは次の6つ。

無色で刺激臭をもつ塩基性気体

アンモニアは、色がついておらず刺激臭をもつ塩基性気体だ。

気体の色や臭いなどについて詳しくは「気体の性質〜色・臭い・毒性・溶かしたときの液性まとめ〜」を見てみてね。

工業的製法

アンモニアを工業的に作る際は「ハーバーボッシュ法」という方法を用いる。

この製法では、触媒として四酸化三鉄Fe3O4を用いるということを覚えておこう。

実験室的製法

アンモニアを実験室内で作る際には、塩化アンモニウムNH4Clに水酸化カルシウムCa(OH)2を加えて加熱する。

2NH4Cl + Ca(OH)2 → CaCl2 + 2NH3 + 2H2O

NH4Clは弱塩基を含む塩、Ca(OH)2は強塩基なので、この反応は弱塩基遊離反応の一種だね。
弱塩基遊離反応について詳しいことは「弱酸・弱塩基遊離反応」を、気体の発生法に関しては「【保存板】気体の発生方法・反応式まとめ!」を見てね。

水に非常に良く溶け、一価の弱塩基として働く

アンモニアは、水に非常に良く溶けて弱塩基性を示す。

HClと接触すると白煙を生じる

アンモニアは、塩化水素HCと接触すると白煙(NH4Clの微粒子)を発生する。

NH3 + HCl → NH4Cl

この反応は、NH3やHClの検出反応として用いられる。

Ag+・Cu2+・Zn2+と錯イオンを形成する

アンモニアは、金属元素の陽イオン(Ag+・Cu2+・Zn2+)と反応し、錯イオンを形成する。

  

配位子 金属イオン 錯イオン
NH3 Ag+ ジアンミン銀(Ⅰ)イオン[Ag(NH3)2+
NH3 Cu2+ テトラアンミン銅(Ⅱ)イオン[Cu(NH3)42+
NH3 Zn2+ テトラアンミン亜鉛イオン[Zn(NH3)42+

酸化物「NO,NO2

窒素の酸化物は一酸化窒素NOと二酸化窒素NO2の2種類。

2つの工業的・実験室的製法についてまとめた後、両者の性質を比較していこう。

製法

工業的製法

NO:4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O
(オストワルト法の第1段階:白金Ptを触媒とし、900℃くらいの高温で行う)

NO2:2NO + O2 → 2NO2
(オストワルト法の第2段階)

実験室的製法

NO:3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 2NO +4H2O
(銅Cuに希硝酸HNO3を加える)

NO2:2NO + O2 → 2NO2
(銅Cuに濃硝酸HNO3を加える)

NO,NO2の実験室的製法の反応式の作り方

実験室的製法の所に書いた反応式がどのようにして作られたのかきちんと理解したいという人は以下を参考にしてほしい。
両方とも2つの半反応式を組み合わせることによって作られている。

NO

NO2

性質

  

NO NO2
無色 赤褐色
におい なし 刺激臭
溶解性 不溶
(中性)
可溶
(酸性)
二量体形成 なし あり

NOに比べNO2は特徴が多いね。
色もついており、臭いも刺激臭。水に溶けて酸性を示し、二量体も形成することがある。

NO2の二量体形成は、反応式で表すと次のようになる。

2NO2 ⇄ N2O4

オキソ酸「硝酸HNO3

窒素原子を含むオキソ酸として、硝酸HNO3がある。



硝酸水溶液のうち、濃度が高い(約60%以上)のものを濃硝酸、濃度が低いものを希硝酸という。

硝酸は定期テストや大学受験で頻出であり、製法や性質についてしっかりと押さえておく必要がある。

まずは製法から、確認していこう。

製法

工業的製法

硝酸を工業的に作るためには「オストワルト法」という方法を用いる。

この製法に関して詳しいことは硝酸の工業的製法「オストワルト法」の仕組みや反応式について完全解説!!を参照してね。

実験室的製法

HNO3を実験室内で作るには、硝酸ナトリウムNaNO3に濃硫酸H2SO4を加えて加熱する。

NaNO3 + H2SO4 → NaHSO3 + HNO3

性質

硝酸について覚えておいてほしい性質は以下の3つ。

硝酸は電離度が高い一価の強酸である。

HNO3 → H+ + NO3

また、酸化力も非常に高く、酸化剤として働くこともある。

Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2NO2 + 2H2O

この反応では、銅Cuを酸化させて硝酸銅Cu(NO3)2にしているね。(反応式の作り方に関しては「高校化学「半反応式・酸化還元反応式の作り方」完全マスター講座!!」を参照してね)

硝酸は保存するときに少し注意が必要だ。
硝酸は光や熱を受けると簡単に分解してしまうため、褐色ビンに入れて保存するんだ。
硝酸以外にも、化合物の中には保存法に気をつけなければ行けないものがある。「高校化学で出てくる「化合物の保存・取り扱い方法」完全まとめ!!」に一覧にして載っけてあるのでぜひ見てみてほしい。

最後に、硝酸は不動態形成にも関わっているということを押さえておこう。

Fe,Ni,Al,Crなどの金属を濃硝酸の中に入れると、(金属が酸化され)金属の表面に酸化物の緻密な膜ができ、不動態となるんだったね。
不動態に関して詳しくは「不動態」を参照してね。

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