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両性元素(Alなど)の単体・酸化物・水酸化物の特徴や製法、酸・塩基との反応による錯イオン形成など完全まとめ!!

約 6 分

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両性元素とは

両性元素とは、(単体・酸化物・水酸化物が)酸・塩基の両方と反応することができる元素のことだ。

両性元素は、酸と反応する時は陽イオンとして、塩基と反応するときは錯イオンとして働くことが多い。

高校化学では、次の4つの両性元素を覚えるようにしよう。

今回は、4つの中でも特に良く出てくる「アルミニウムAl」を例に、単体・酸化物・水酸化物の酸・塩基との反応を確認していこうと思う。

両性元素の単体の反応

酸との反応

両性元素の単体は、酸と反応してH2を発生する。

2Al + 6HCl → 2AlCl3 + 3H2

塩基との反応

両性元素の単体は、塩基と反応してH2を発生する。

2Al + 2NaOH + 6H2O → 2Na[Al(OH)4] + 3H2

この反応式は以下の手順で作成する。

STEP1

両性元素が水溶液中のH2Oと反応し水酸化物が生成する

まずは、両性元素(今回の場合はAl)が水溶液中のH2Oと反応し水酸化物(Al(OH)3)が生成する。

STEP2

STEP1で生成した水酸化物が塩基由来のOHと反応し錯イオンが生成する

次に、STEP1で生成した水酸化物(Al(OH)3)が塩基(NaOH)由来のOHと反応し錯イオン([Al(OH)4)が生成する。

STEP3

STEP1とSTEP2の式を組み合わせ、イオン反応式を作成する

次に、STEP1とSTEP2の式を組み合わせてイオン反応式を作成する。

STEP4

水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる

最後に、水溶液内に存在する塩基由来の陽イオン(Na+)を組み合わせる。

まとめ

STEP1〜STEP4の流れをまとめてみよう。

両性元素の酸化物の反応

酸との反応

両性元素の酸化物は、酸と反応してH2Oを発生する。

Al2O3 + 6HCl → 2AlCl3 + 3H2O

塩基との反応

両性金属の酸化物は、塩基と反応する。

Al2O3 + 2NaOH + 3H2O → 2Na[Al(OH)4

酸化物の塩基との反応も、単体の場合とほぼ同じ。
以下の4STEPで考えていこう。

STEP1

両性元素の酸化物が水溶液中のH2Oと反応し水酸化物が生成する

まずは、両性元素の酸化物(今回の場合はAl2O3)が水溶液中のH2Oと反応し水酸化物(Al(OH)3)が生成する。

STEP2

STEP1で生成した水酸化物が塩基由来のOHと反応し錯イオンが生成する

次に、STEP1で生成した水酸化物(Al(OH)3)が塩基(NaOH)由来のOHと反応し錯イオン([Al(OH)4)が生成する。

STEP3

STEP1とSTEP2の式を組み合わせ、イオン反応式を作成する

次に、STEP1とSTEP2の式を組み合わせてイオン反応式を作成する。

STEP4

水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる

最後に、水溶液内に存在する塩基由来の陽イオン(Na+)を組み合わせる。

まとめ

STEP1〜STEP4の流れをまとめてみよう。

両性元素の水酸化物の反応

酸との反応

両性金属の水酸化物は、酸と反応してH2Oを発生する。

Al(OH)3 + 3HCl → AlCl3 + 3H2O

塩基との反応

両性元素の水酸化物は、塩基と反応する。

Al(OH)3 + NaOH → Na[Al(OH)4

この反応式は以下の2STEPで作成する。

STEP1

両性元素の水酸化物が塩基由来のOHと反応し錯イオンが生成する

まずは、両性元素の水酸化物が塩基由来のOHと反応し錯イオンが生成する。

単体・酸化物の場合のSTEP2と同じだね。
先ほどまでは水酸化物を作る作業がSTEP1だったが、今回は最初の物質が水酸化物なのでこの手順が1番にきているんだ。

STEP2

水溶液内に存在する塩基由来の陽イオンを組み合わせる

次に、水溶液内に存在する塩基由来の陽イオン(今回の場合はNa+)を組み合わせる。

両性金属に関するその他必須知識

硫酸カリウムアルミニウム十二水和物について

硫酸カリウムアルミニウム十二水和物カリミョウバンと呼ばれ、単にミョウバンともいう。

カリミョウバン(ミョウバン)は、硫酸カリウム硫酸アルミニウムの2種類の塩が組み合わさってできたもので、このような2種類の塩からできている塩のことを複塩ということも押さえておこう。

硫化亜鉛について

硫酸亜鉛は、天然に閃亜鉛鉱やウルツ鉱として存在しており、蛍光塗料や白色顔料などに用いられる。

アルミニウムの特徴

アルミニウムの単体は、以下のような性質をもつ。

  • アルミニウムの単体の表面を人工的に酸化させた(不動態にした)ものを「アルマイト」といい、さびの防止に役立てている。
  • テルミット反応を起こす。
  • 「不動態」でやったように、不動態というのは金属が酸化物の膜で覆われ、溶けることができなくなった状態のことだ。
    工業製品などにアルミニウムを使う際、人工的にこの不動態を作り出すことでより安定な状態にし、さびを防止している。

    また、アルミニウムの単体はテルミット(酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3とアルミニウムAlを混合したもの)を加熱すると、激しい光と熱とともに以下の反応が引き起こされる。

    2Al + Fe2O3 → 2Fe + Al2O3

    この反応は混合物の名前が”テルミット”であることから「テルミット反応」と呼ばれている。

    アルミニウムの工業的製法〜溶解塩電解〜

    アルミニウムは、ボーキサイトという酸化アルミニウムAl2Oを主成分とする原料をもとに融解塩電解(溶解塩電解)という操作をして作ることができる。
    この製法に関して詳しいことはアルミニウムの工業的製法「ボーキサイトの精錬・融解塩電解」について完全解説!〜仕組みから氷晶石を入れる理由まで〜を見てみてほしい。

    鉛の特徴

    鉛について、以下の特徴を押さえておいてほしい。

  • SO42-やCO32-と白色沈殿を作る
  • 放射線を遮る
  • イオンには2種類存在する
  • PbのイオンであるPb2+は、SO42-やCO32-と反応し白色沈殿を作る。(沈殿生成反応については「沈殿生成反応の仕組みと沈殿生成反応式の作り方」を、沈殿の色については「【保存板】高校化学で頻出の「イオン・沈殿の色」総まとめ!!」を見てね)

    また、Pbの単体は「放射線を遮る」という特徴をもつ。
    そのため、鉛をエプロンのような形で身に付けることによってレントゲンを撮る際の遮蔽材として用いられる。

    鉛イオンには、Pb2+とPb4+の2種類が存在する。

    2つのイオンの安定性を比べると、Pb2+の方が高い。
    従って、Pb2+は鉛蓄電池で非常に重要な役割を果たしている。
    鉛蓄電池について詳しいことは「鉛蓄電池」を見てね。

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