KIMIKA!|基礎から学ぶ高校化学

水酸化ナトリウムの製法「陽イオン交換膜法」の仕組みや反応式を完全網羅!!

約 3 分

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陽イオン交換膜法とは

陽イオン交換膜法とは、陽イオンだけを透過させ陰イオンを透過させない性質をもつ「陽イオン交換膜」という特殊な膜を用いて、純度の高い水酸化ナトリウム溶液を得るための工業的方法だ。

これからこの方法について図を用いながら5STEPで説明していくので、順を追ってきっちり理解するようにしよう。

陽イオン交換膜法の仕組み

これから上の5STEPを用いて陽イオン交換膜法の原理を解説していく。

STEP1

陽極室に飽和塩化ナトリウムNaOH水溶液を、陰極室に水(希NaOH水溶液)を入れる

まずは、陽極室・陰極室それぞれに材料となる水溶液を入れよう。
陰極側は、NaOHの生成反応直接関与するのは水H2Oだが、電気伝導性を上げるために実際は希NaOH水溶液が用いられることが多い。

STEP2

陽極ではClがeを放出しCl2になる

STEP3

陰極ではH2Oがeを受け取りOHが発生する

また、(後で反応式を見れば分かるけど)水素H2も同時に発生していることも把握しておこう。

STEP4

陽極室にあるNa+が陽イオン交換膜を通過し陰極室に移動する

STEP5

STEP3で発生したOHとSTEP4で陰極室に移動したNa+がくっつきNaOHが生成する

陽イオン交換膜法の反応式

上で説明した5STEPに基づいて、陽極・陰極・全体の反応式を考えていこう。

陽極の反応式

陽極での反応は、STEP2でやった通り「Clがeを放出しCl2になる」反応だったね。
これを式にすると以下のようになる。

2Cl → Cl2 + 2e

陰極の反応式

陰極での反応は、STEP3でやった通り「H2Oがeを受け取りOHが発生する」反応だったね。
これを式にすると以下のようになる。

2H2O + 2e → H2 + 2OH

全体の反応式

陽極の反応式と陰極の反応式を足しあわせよう。

今回は2つの式の電子(e)の数が揃っているからそのまま足せばOKだね!(反応式の作り方が分からなかったら「高校化学「化学反応式の作り方・計算問題」完全マスター講座!!」を見てみてね)
また、陽極・陰極どちらの式にもNa+が入っていないので、最後にこれを補うことも忘れないようにしよう!

陽イオン交換膜の役割

最後に、陽イオン交換膜の役割についてまとめておこう。

はじめに説明したように、陽イオン交換膜とは「陽イオンだけを透過させ陰イオンを透過させない性質をもつ膜」のことだった。
今回、水酸化ナトリウムの生成に陽イオン交換膜を使ったのは、この性質を生かして、

陽極室にいるNa+だけを陰極側に通過させ(OHと反応させて目的物質NaOHを作り)、Clは透過させずに陽極側に保つ(そしてe放出させCl2にする)ため

なんだ。よく理解しておこう。

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