KIMIKA!|基礎から学ぶ高校化学

蒸留・分留の違いとそれぞれの原理について例&図で徹底解説!

約 7 分

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蒸留

蒸留とは

引用:高校化学

塩化ナトリウム水溶液を枝付きフラスコに入れ、加熱して沸騰させると塩化ナトリウム水溶液中の水だけが水蒸気となる。その水蒸気を管で繋がれたリービッヒ冷却器で冷却し純粋な水(蒸留水)が得られる。
このように、液体と固体が混ざってできたものを加熱し、液体だけを気化させ、それを冷却して純粋な液体として取り出す操作のことを蒸留という。

蒸留の注意点(入試頻出ポイント)

蒸留を行う上で注意すべき事項で、入試でもよく出題されるものをいくつか紹介しておこうと思う。

注意点
①枝付きフラスコに入れる溶液の量は1/2以下にする
②枝付きフラスコを加熱する際は金網を敷く(水浴の場合も)
③枝付きフラスコは、加熱する際沸騰石を入れる
④温度計は枝付きフラスコの枝元にくるようにする
⑤リービッヒ冷却器に通す冷却水は「下から上」に流すようにする
⑥アダプターと受け器は密閉しない
⑦蒸留の始めと終わりに出る液体は捨てる

枝付きフラスコに入れる溶液に量は1/2以下にする。これは、溶液を入れすぎると沸騰した時に液が枝側に入りリービッヒ冷却器の方に行ってしまうためである。

枝付きフラスコを直接加熱するとフラスコが破損する可能性があるため、枝付きフラスコを加熱する際は金網を敷かなければいけない。金網以外では、水を溜めた水浴に枝付きフラスコを浸けて加熱したり、水浴で加熱できない沸点が100℃以上の溶液は(水は100℃以上に加熱できないため)油浴砂浴を使ったり、といった場合もある。
また、加熱する際は“沸騰石”と呼ばれる石を入れる必要がある。これは突沸(液体が沸点になっても沸騰せず、わずかに刺激を与えた時に急激に沸騰する現象:溶液が噴き出したり容器が破損する恐れがある)を防ぐためである。

発生した蒸気の温度を測るため枝付きフラスコに温度計を設置する必要があるが、この時温度計の球部は「フラスコの枝元」にする必要がある。溶液につけたりすると溶液の温度を測っていることになってしまうので、当然と言えば当然である。

リービッヒ冷却器に通す冷却水は「下から上」に流すようにする。上から下に流すと水が溜まりづらく冷却効率が悪くなってしまう。

アダプターと受け器は密閉してはならない。アダプターと受け皿をゴム栓やガラス栓で密閉して蒸留すると装置内の圧力が上がり器具を破損する可能性がある。(ただし、外部から異物が混入するといけないのでアルミホイル等を被せて受け器の口を軽く塞ぐ必要がある)

蒸留の始めの液と終わりの液は捨てる必要がある。これは、始めの液と終わりの液は不純物を含む可能性が高いためである。

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分留

分留とは2種類以上の液体の混合物を、沸点の違いを利用して分離する操作である。

例えば、石油は発掘された状態では様々な液体が混ざりあっており、分留を行うことで石油ガスやナフサ、灯油、軽油などに取り分けられている。

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引用:http://www.max.hi-ho.ne.jp/lylle/

蒸留と分留の違い

POINT蒸留と分留の違い
【蒸留】液体と固体を分離する
【分留】液体と液体を分離する

蒸留は液体と固体を分離する操作、分留は液体と液体を分離する操作というのが一般的な考え方である。

しかし本当の所は、蒸留は「(液体と液体を分離するのも含めて)物質と物質を沸点の違いを利用して分離させる方法全般」のことを指しており、従って分留は蒸留の一種であると言える。

演習問題

問1
枝付きフラスコに入れる溶液の量は1/2以下にするのはなぜか。
問1:解答・解説
解答:下記参照

溶液を入れすぎると沸騰した時に液が枝側に入りリービッヒ冷却器の方に行ってしまうため

問2
枝付きフラスコを加熱する際は金網を敷くのはなぜか。
問2:解答・解説
解答:下記参照

枝付きフラスコを直接加熱するとフラスコが破損する可能性があるため

問3
枝付きフラスコを加熱する際に沸騰石を入れるのはなぜか。
問3:解答・解説
解答:下記参照

突沸を防ぐため
(※)突沸とは液体が沸点になっても沸騰せずわずかに刺激を与えた時に急激に沸騰する現象であり、溶液が噴き出したり容器が破損する恐れがある

問4
温度計は枝付きフラスコの枝元にくるようにするのはなぜか。
問4:解答・解説
解答:下記参照

溶液につけると溶液の温度を測っていることになってしまうため(出てきた気体の温度を測る必要がある。例え水につけなくても加熱点に近すぎると火の熱まで受けてしまい気体の温度だけを測ることはできない)

問5
リービッヒ冷却器において、水を流す方向は「上から下」・「下から上」のどちらか。
問5:解答・解説
解答:下から上

リービッヒ冷却器に通す冷却水は「下から上」に流すようにする。上から下に流すと水が溜まりづらく冷却効率が悪くなってしまう。

問6
アダプターと受け器の隙間はゴム栓とアルミホイル、どちらで塞ぐのかよいか。
問6:解答・解説
解答:アルミホイル

アダプターと受け器は密閉してはならない。アダプターと受け皿をゴム栓やガラス栓で密閉して蒸留すると装置内の圧力が上がり器具を破損する可能性がある。(ただし、外部から異物が混入するといけないのでアルミホイル等を被せて受け器の口を軽く塞ぐ必要がある)

問7
蒸留の始めの液と終わりの液は捨てる必要があるが、それはなぜか。
問7:解答・解説
解答:下記参照

始めの液と終わりの液は不純物を含む可能性が高いため

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