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高校化学「化学反応式の作り方・計算問題」完全マスター講座!!

約 13 分

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原子・分子とは

化学反応式について説明する前に、原子・分子とはなにかということについて少し復習しておこう。

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原子とは、「小さいツブ」のことだった。

この図は左から、水素原子・酸素原子・塩素原子を表している。

すべての物質はこのような丸っこい物体からできているんだね。

次は分子について。

分子というのは「原子がくっついてできたもの」だった。

例えば、水素”分子”は2つの水素”原子”が繋がることによって形成されている。

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化学反応とは

化学反応とは、「分子内の結合が切れて新たな結合ができ、別の物質に変わること」だ。

この例では、水素同士、塩素同士の結合が切れて、水素と塩素で新たに結合をつくってるね。
つまり、「結合のペア」が変化したわけだ。

ここで1つ、とても重要なルールを紹介しておこう。

化学反応が起こったとき、反応の前後で、原子の数は変わらない

今挙げた例でも、左側と右側の水素・塩素原子の数はそれぞれ等しいよね。
このルールは次の化学反応式を作っていくときに知っておかなければいけない大切なルールなので、きちんと覚えておこう。

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化学反応式とは

化学反応式とは「化学反応を化学式を用いて表したもの」だ。

例えば、水素と塩素の反応だと次のようになる。

これは、先ほどの図(↓)

を水素分子・塩素分子・塩化水素それぞれの分子式(化学式)、H2・Cl2・HClを使って表現したものとなっている。

また、左に水素原子Hが2つ、塩素原子Clが2つあることから、(先ほど紹介した「化学反応の前後で、原子の数は変わらない」というルールに基づき)原子の数を合わせるためにHClが「2コ」できていることにも注目しよう。分子が2コあるというのを表すためには、分子の前に係数「2」を付ける。

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化学反応式の係数決定

上の水素と塩素の反応ではHClの係数を2にするだけだったので簡単だったが、実際はもう少し複雑なものが多い。
どんな化学反応式でも係数を決定できるよう、やり方をしっかりマスターしよう。

ここで、先ほど書いた「化学反応式を作る際のルール」をもう一度確認しよう。

反応の前後で、原子の数は変わらない
これから書くことは、このことを念頭において見ていってほしい。

では例を使って説明しよう。

例:水素と酸素が反応して水ができる反応

係数決定は、以下のステップに従って進めていく。

【STEP1】
1番原子量(分子量・式量)の多い物質の係数をとおく

H2・O2・H2Oの中で一番分子量が多いのはO2。従って、O2の係数を1とする。

【STEP2】
STEP1で係数を1とおいた物質の数が左右で等しくなるように調整する。

STEP1で係数を1とおいたのはO2。従って、Oの数が左右で等しくなるように調整する。

左側はOの数が2コだよね。従って右にもOが2つ必要。しかし今はH2Oに含まれる1つしかないので、H2Oの係数を”2”とする。

これで左右のO原子の数が揃ったね。

【STEP3】
の他の物質の数を揃える。

この時点で、左右のOの数が揃っているのに対しHの数はバラバラだよね。左側のHの数は2コ、右側のHの数は4コとなっている。

左側のH2の係数を2にすることで水素原子Hの数を4コとし、左右で数を揃えることができる。

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特殊な方法「未定係数法」

複雑な反応式の係数を求める時には、「未定係数法」という方法を使うことが多い。

例として、下の化学反応式を使って説明していこう。

【STEP1】
それぞれの係数をアルファベットで書く。

反応式に出てくる物質の係数をすべてアルファベットで書く。

【STEP2】
左右で各原子の数が等しくなることを利用し、方程式を立てる。

反応の前後で、原子の数は変わらない」というルールを使って、係数がアルファベットのまま数を比べると、方程式ができる。

まず炭素について。

炭素原子は左側にa×6コ、右側にc×1コあるね。反応の前後で原子の数は変わらないから、6a=c・・・①が成り立つ。

同様に、
酸素について、6a+2b=2c+d・・・②
水素について、12a=2d・・・③
が成り立つ。

【STEP3】
1つの物質の係数を1と決め、代入する

好きなアルファベットを1つ「1」とおくんだ。

今回はaを1とおく。
そうすると、①は6=c、②は6+2b=2c+d、③12=2dとなる。

【STEP4】
程式を解き、係数を求める。

STEP3で得た方程式を解くと、b=6、c=6、d=6となる。これらを当てはめて完成。

ちなみにアルファベットが分数で出てしまったら、分母が消えるようにすべての係数に同じ数をかけてね。

化学反応式と単位計算

さて、ここからが本題だ。
これまで学んできた化学方程式を、計算に生かしていこう。

まずは、化学方程式について1つ押さえておいてもらいたいことがある。


化学反応式における係数の比は、「molの比」を表しているんだ。

例として、次の化学反応式を見てみよう。

反応式中の係数に注目しよう。
水素分子(H2)・窒素分子(N2)・アンモニア(NH3)の係数はそれぞれ、3・1・2となっているね。
この場合、係数から3molのH2と1molのN2が反応して2molのNH3ができるということが分かる。

では、係数比=モル比と考えることにどんな意味があるのかをこれから解説しよう。

「mol」を中心に考えることで、化学反応式から分子量(g/mol)や標準状態での気体の体積である22.4(L/mol)、アボガドロ定数6.0×1023(コ/mol)を使って「質量」、「体積」、「個数」といったものを必要に応じて求めることができるんだ。

やはりここでも、「化学計算と単位」のところでやったことが生かされているね。
もしこの表をみてもよく意味がわからなかったら、「物質量」「高校化学mol計算完全マスター講座」のところをよく確認しておいてくれ。

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反応量計算

ここでは、化学反応式を使ったより実践的な計算に取り組んでいく。

化学反応は「過不足(何かの物質が多かったり、逆に少なかったり)が生じない反応」「過不足が生じる反応」に分けることができる。
どちらの反応かで計算の仕方が異なるので、2つに分けて解説していこうと思う。

問題をだして、それを解きながら解説するという形式をとる。

過不足が生じない問題

【例題】

プロパンの燃焼反応(C3H8 + 5O2→ 3CO2 + 4H2O)についての以下の問いに答えよ。

(1)2[mol]のC3H8が燃焼すると、何[mol]のCO2が生成するか。
(2)3.0×1023[コ]のC3H8が燃焼すると、何[mol]のH2Oが生成するか。
(3)3.0[mol]のC3H8が燃焼すると、何[g]のH2Oが生成するか。
(4)2.0[mol]のC3H8が燃焼すると、何[L]のCO2が生成するか。
(5)3.0×1023[コ]のC3H8が燃焼すると、何[L]のCO2が生成するか。

    

解説


この表をテンプレートとして解いていこうと思う。

基本となる物質の量を表している。
今回の問題に書かれている量を示す。

あまりピンとこないという人もいるかもしれないが、今から問題を解きながら数値を入れていく。
そうすれば表の意味も分かってくると思う。

(1)

のところには、(「係数比=モル比」であることを考慮すると、1[mol]のプロパンから3[mol]の二酸化炭素ができるとわかるので、)プロパンの下に1[mol]、二酸化炭素の下に3[mol]と書き込む。

次に、今回は2[mol]のプロパンが反応しているので、のところにそれを書き込む。
また、CO2が何モル出てくるかを求めるのでそこはxとおいておく。

あとは比を使えば簡単に答えを求めることができる。

1:3=2:x
x=6

よって、6[mol]

(2)

の所に書いてある6.0×1023[コ]というのは、アボガドロ定数に(プロパンの係数が1なので)1molをかけたものだ。

6.0×1023[コ/mol]×1[mol]=6.0×1023[コ]

縦の列で(つまり同じ物質で)単位が揃っていれば、横で単位が違っても(1)と同じように比を使って解くことができる。

6.0×1023: 4 = 3.0×1023: x

x=2

よって、2[mol]

(3)

これも(1)(2)とほとんど同じだね。

4×18[g]というのは、H2Oの物質量である18[g/mol]に(H2Oの係数が4なので)4molをかけたものだ。

4[mol]×18[g/mol]=4×18[g] 

後は比を使って解く。

1 : 4×18 = 3 : x

x=216

よって、216[g]

(4)

これも一緒。
3×22.4[L]というのは、標準状態での気体の1molあたりの体積である22.4[L/mol]に(CO2の係数が3なので)3molをかけたものだ。

3[mol]×22.4[L/mol]= 3×22.4[L]

後は比を使って解く。

1 : 3×22.4 : 2 : x

x=134.4[L]

よって、134.4[L]

(5)

6.0×1023[コ]というのは、アボガドロ定数に(プロパンの係数が1なので)1molをかけたものだ。

6.0×1023[コ/mol]×1[mol]=6.0×1023[コ]

3×22.4[L]というのは、標準状態での気体の1molあたりの体積である22.4[L/mol]に(CO2の係数が3なので)3molをかけたものだ。

3[mol]×22.4[L/mol]= 3×22.4[L]

後は比を使って解く。

6.0×1023 : 3×22.4 = 3.0×1023 : x

x=33.6

よって、33.6[L]

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過不足が生じる問題

次は、反応したけど何かの物質が余ったり、足りなかったりしたときの問題の解き方だ。
これも問題を解きながら説明していくことにしよう。

【例題】

水素と窒素の反応(N2 + 3H2 → 2NH3)について、1[mol]のN2と4[mol]のH2を反応させたとき、生じるNH3は何[mol]か。また、何が何[mol]余ったか。

解説

過不足ありの場合はこのテンプレートを使う。
反応前の量
反応した量
反応後の量
を表している。

今回は、1[mol]のN2と、4[mol]のH2を反応させたので、それをのところに書き込む。
また、反応前にはまだNH3は0[mol]だね。

ここでポイントとなるのが、「余る物質を予測すること」だ。
この予想はハズレても後でわかるので問題ない。(予想が外れたときの例と判別法はあとで書く。)
予想したら、余らないと思う物質が反応後「0」になるように引き算をするんだ。

実際やってみよう。
まず予想から。
化学反応式より、N2とH2は1:3で反応する。
したがって、今N2が1[mol]、H2が4[mol]あるので、余るのはH2だと考えられる。
ということは、余らないのはN2だね。N2が反応後「0」になるように引き算する。

じゃ、次。
係数比に注目すると、
N2 : H2 = 1 : 3
の割合で反応するから、N2が1[mol]反応するときH2はその3倍の3[mol]反応する。
よって下図のようになる。

あとちょっと。
これまた係数比を考えて、N2 : NH3 = 1 : 2
だから、N2が1[mol]反応するとき、NH3はその2倍の2[mol]できる。
よって下図のようになる。

この表から、「NH3が2[mol]できて、1[mol]のH2が余る」ことがわかるね。

【予想がはずれたら】

余る物質の予想が外れたときどうやってそれが分かるのだろう。

先ほどと同じ反応で、N2が余ると予想する。
そうすると、余らない物質はH2ということになるから、H2が反応後「0」になるように引くと…

となる。
次に、N2について考えると、係数比からN2 : H2 = 1 : 3 で反応するので N2はH2の1/3倍の4×1/3[mol]反応するはずだ。
よって、下図のようになる。

あれ。

反応後のN2がマイナスになってしまったね。
反応後の値がマイナスになることはありえないから、ここで予想がはずれていたと気づくわけだ。

こんな感じで予想の当たり外れを知ることができる。

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