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中和滴定を攻略!流れから計算問題、滴定曲線、指示薬まで完全網羅!

約 8 分

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中和滴定とは

中和滴定とは濃度が分からない酸(塩基)に対して、濃度が分かってる塩基(酸)を少しずつ加えることで、未知の酸(塩基)の濃度を決定するための滴定のことだ。

これだけでは何を言っているのかわからないという人も多いと思うので、具体的な例を挙げて詳しく解説していこうと思う。

例:塩酸と水酸化ナトリウムの中和滴定

ここに塩酸(塩化水素HClの水溶液)があるとする。(HClはH+とClに電離した状態で記載)

ここにポタポタとNaOHを加えていく…

そうすると、水溶液の中がこんな感じになってくる。(NaOHもHClと同様に、水の中ではNa+とOHに電離している)

で、Na+とClが塩をつくって…

最終的にこの状態になる。もともと容器にあったHClが、NaOHと組み合わさることで完全になくなっているので、いわゆる「中和」した状態だね。(H+とOHは合わさって水(H2O)になっている)

この「中和する」までに滴下したNaOHの量を使って、塩酸の濃度を求めていくのが中和滴定なんだ。(具体的な計算方法は「中和計算」の方をみてね)

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中和滴定と指示薬

指示薬とは特定のpHで色が変化する物質のことだ。

中和滴定では、これを利用して中和点に達したかどうかの判別をしていく。

ここでは、定期テスト・大学入試で頻出の超有名な2つの指示薬について紹介していこうと思う。

フェノールフタレイン

フェノールフタレインpH8〜pH10に変域をもっている。
つまり、この範囲より酸性側か塩基性側かで色が変わるんだ。

pHがこの範囲より酸性側(つまりpHが1に近づくほう)だと、無色
pHがこの範囲より塩基性側(つまりpHが14に近づくほう)だと、赤色

になる。

メチルオレンジ

メチルオレンジは約pH3〜pH4.5に変域をもっている。

pHがこの範囲より酸性側(つまりpHが1に近づくほう)だと、赤色
pHがこの範囲より塩基性側(つまりpHが14に近づくほう)だと、黄色

になる。

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中和滴定と滴定曲線

続いて、上で紹介した指示薬たちが滴定においてどのような役割をしてるのかを説明していこう。

滴定曲線っていうのを知ってるかな。(下の図↓)

この例は、酸に塩基を滴下していったときのものだ。
垂らす塩基の量と、pHとの関係を表している。

滴定曲線は、次の3STEPで見ていく。

STEP1

塩基を一滴も加えていないスタートのときは、酸しかないから、pHは7より低い。

STEP2

そこに塩基を加えていくとだんだんpHはあがっていく。

STEP3

最終的にGOALの位置までpHは上昇していく。

ちなみに星で表したのは中和点ね。垂直な部分の中心部が中和点を表している。

それでは次に、この滴定曲線を指示薬の変域と組み合わせてみよう。


(薄い赤の範囲はフェノールフタレインの変域pH8〜pH10、オレンジの範囲はメチルオレンジの変域pH3〜pH4.5を表している)

このグラフの場合、中和点に達したときに色の変化でそれを知るにはどちらの指示薬を入れておいたほうがいいかな。

答えは「どちらでもOK」だ。

なぜかというと、グラフが垂直になっている部分」がどちらの変域にも入っているからだ。

「グラフが垂直になってるところ」というのは「pHが急激に変化しているところ」と考えることができるね。pHが急に変化するから色の変化が分かりやすいんだ。

しかし、必ずしもこのように両方の指示薬が使えるわけではない。

よって、その辺の説明も含めつつこれから8種の滴定曲線を紹介していく。

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酸に塩基を加えていく際の滴定曲線

酸に塩基を垂らしていく場合の滴定曲線だ。
全部で4パターンある。

強酸+強塩基

【STEP1】
強酸は基本的にpHが2以下なので、そこからスタートする。
【STEP2】
強塩基を加えていくと、徐々にpHが上昇する。
【STEP3】
最終的にpH12程度までいった後、一定になる。

このグラフでは、グラフが垂直になっている部分が約pH2〜12なので、(フェノールフタレイン、メチルオレンジ両方の変域を含むので)フェノールフタレイン、メチルオレンジともに使用できる。

強酸+弱塩基

【STEP1】
強酸は基本的にpHが2以下なので、そこからスタートする。
【STEP2】
弱塩基を加えていくとpHは徐々に上がっていく。
【STEP3】
最終的にpH12に届かないくらいまでいった後、一定になる。(強塩基だと12以上、弱塩基だと12以下になる場合が多い)

このグラフでは、グラフが垂直になっている部分が約pH2〜7なので、フェノールフタレインは使用できず、メチルオレンジは使用できる。

弱酸+強塩基

【STEP1】
弱酸は基本的にpHが2以上なので、そのあたりからスタートする。
【STEP2】
強塩基を加えていくとpHは徐々に上がっていく。
【STEP3】
最終的に、pH12程度で一定となる。

このグラフでは、グラフが垂直になっている部分が約pH7から12なので、フェノールフタレインは使用できてメチルオレンジは使用できない。

弱酸+弱塩基

【STEP1】
弱酸は基本的にpHが2以上なので、そのあたりからスタートする。
【STEP2】
弱塩基を加えていくとpHは徐々に上がっていく。
【STEP3】
最終的に、pH12程度で一定となる。

このグラフでは、グラフが垂直になっている部分はない。(なんとなーく緩やかに上がっていく感じ)
よって、どちらの指示薬も使うことができない。

また、弱酸と弱塩基では、中和点はpH7付近になるが、電離度の関係で7ぴったりで止まることはない。

塩基に酸を加えていく際の滴定曲線

今度は、塩基に酸を滴下してくときの滴定曲線について説明していこう。

強塩基+強酸

【STEP1】
強塩基は基本的にpHが12以上なので、そのあたりからスタートする。
【STEP2】
強酸を加えていくとpHは徐々に下がっていく。
【STEP3】
強酸のpHは2以下なので、最終的にpH2程度で一定となる。

このグラフでは、グラフが垂直になってる部分がpH2〜12くらいのとこだから、フェノールフタレイン、メチルオレンジともに使用できる。

強塩基+弱酸

【STEP1】
強塩基は基本的にpHが12以上なので、そのあたりからスタートする。
【STEP2】
強酸を加えていくとpHは徐々に下がっていく。
【STEP3】
弱酸のpHは2以上なので、最終的にpH2より少し上のところで一定となる。

このグラフでは、グラフが垂直になってる部分がpH6〜11くらいのとこだから、フェノールフタレインは使用できるがメチルオレンジはできない。

弱塩基+強酸

【STEP1】
弱塩基は基本的にpHが12以下なので、そのあたりからスタートする。
【STEP2】
強酸を加えていくとpHは徐々に下がっていく。
【STEP3】
強酸のpHは2以下なので、最終的にpH2程度で一定となる。

このグラフでは、グラフが垂直になっている部分がpH2〜6くらいなので、フェノールフタレインは使用できずメチルオレンジは使用できる。

弱塩基+弱酸

【STEP1】
弱塩基は基本的にpHが12以下なので、そのあたりからスタートする。
【STEP2】
弱酸を加えていくとpHは徐々に下がっていく。
【STEP3】
弱酸のpHは2以上なので、最終的にそのあたりで一定となる。

このグラフでは、グラフが垂直になっている部分がない。(緩やかに下がっていく感じ)
よって、フェノールフタレインもメチルオレンジも使用できない。

中和滴定と中和計算

中和の具体的な計算解法については中和計算を見てみてね!

演習問題

問1
中和滴定に用いる指示薬で、pH8〜pH10に変色域を持つものはなにか。
問1:解答・解説
解答:フェノールフタレイン

フェノールフタレインはpH8〜pH10に変色域をもつ指示薬である。

問2
中和滴定に用いる指示薬で、pH3〜pH4.5に変色域を持つものはなにか。
問2:解答・解説
解答:メチルオレンジ

メチルオレンジはpH3〜pH4.5に変色域をもつ指示薬である。

問3
強酸に弱塩基を加えていく中和滴定で使える指示薬はなにか。
問3:解答・解説
解答:メチルオレンジ

強酸に弱塩基を加えていく中和滴定では、中和点は酸性に偏る。従って、使える指示薬はメチルオレンジである。

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