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酸化数

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酸化数とは

酸化数とは、「その原子が持っている電子の数が基準より多いか少ないかを表した値」のことだ。

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水分子を電子式で表すと次のようになる。

Oが持つ電子はオレンジで、Hが持つ電子はグリーンで書いた。
HとOの電気陰性度を比較すると、周期表上でより右側にあるOの方が大きい。従って、(電気陰性度の大きい原子が電子を引きつけるので)HとOで共有されている電子はO側に強く引きつけられている。

この状況で、Oは両側のHから1コずつ電子を引っ張っているので「電子の数が通常より2コ多い」、HはOに電子を1コ引っ張られているので「電子の数が通常より1コ少ない」と考えることができる。

最初に書いたように、酸化数とは原子の持つ電子数の基準(通常時に原子が持つ電子の数・Oだと8コ、Hだと1コ)からのずれを表すものなので、水分子において、

となる。

電子は元々「マイナス」の性質を持つものだったので、電子が多くなると「ー」に、電子が少なくなると「+」になるということに注意しよう。

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酸化数の決め方

これまで「酸化数とはどういうものか」についての説明をしてきたけど、実際のところ高校生のうちは「この原子の酸化数はいくつですかー」と聞かれた時に答えられればそれでOK。

そこで、これから紹介する「酸化数決定のルール」を覚えて電気陰性度の大小をいちいち考えなくてもパッと原子の酸化数を求めることができるようにしよう。

<酸化数決定のルール1>

1.単体の原子の酸化数は「0」

例:O2 、Ca 、Fe 、H2

2.化合物全体の酸化数は「0」

例:CO2、H2O

3.イオン全体の酸化数は、その電荷に等しい。

例:Mg2+、Ag+、OH

  
このルールを前提に、次のルールがある。
番号はそのまま優先度の順を表している。

<酸化数決定のルール2>

【優先順位1】

アルカリ金属=「+1」
二族元素=「+2」
ハロゲン=「ー1」(※1)

【優先順位2】

水素原子=「+1」

【優先順位3】

酸素原子=「ー2」

【優先順位4】

硫黄原子=「ー2」(※2)

※1ハロゲンの化合物中での話
※2硫黄の化合物での話

この優先順位を守って酸化数を決める。
例題を使って具体的に解説していこう。

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例題

問題

次の化合物中で、カッコ内の原子の酸化数を求めなさい。
(1)H2O(O)
(2)CO2(C)
(3)NaHCO3(C)
(4)H2SO4(S)
(5)SO42-(S)

解答・解説

(1)H2O(O)

先ほどまとめた優先順位を確認しよう。

1.アルカリ金属=+1、二族元素=+2、ハロゲン=ー1
2.水素原子=+1
3.酸素原子=ー2
4.硫黄原子=−2

まず、H原子の酸化数が決まるね。
+1が2コで+2だ。

でもって、「酸化数決定のルール1」より分子全体の酸化数は0だから、Oの酸化数は−2となる。

ここでひとつ注意。

「酸化数決定のルール2」で酸素の酸化数を「ー2」と書いたが、最初から「酸素の酸化数はー2だ!」と決めつけてはいけない。(H2Oの場合はそれでもよかったが。)

例えばH2O2

こいつのOの酸化数を求めたいとしよう。

優先順位より、まずはHの酸化数を「+1」と決める。
そうすると、Hは2コあるから合わせて「+2」だね。

次にOの酸化数を求める。
ここでルール通り「ー2」にしてしまうと、「ー2」が2つで「ー4」となり、分子全体の酸化数が「0」にならない。

よってここでは優先度が高いHにOが負けて、O1つの酸化数が「ー1」となる。

(2)CO2(C)

まず、優先順位よりOの酸化数が「ー2」。

今回は2コあるから合わせて「ー4」だね。

それで、分子全体の酸化数が「0」であることを考慮して、
Cの酸化数は「+4」となる。

(3)NaHCO3(C)

まず、優先順位よりアルカリ金属であるNaの酸化数が「+1」と決まる。

次に優先順位の高いHの酸化数が「+1」。

Oの酸化数が「ー2」。(3コあることに注意)

最後に、化合物全体の酸化数が「0」になることを考慮して、Cの酸化数が「+4」と決まる。

(4)H2SO4(S)

優先順位より、まずHの酸化数が「+1」と決まる。

毎度のことながら、2コあることに注意ね。

次に、Oの酸化数が「ー2」。

でもって、化合物全体の酸化数が「0」であることを考慮すると、Sの酸化数は「+6」となる。

(5)SO42-(S)

優先順位より、まずOの酸化数が「ー2」と決まる。

「酸化数決定のルール1」より、イオンの電荷である「ー2」がイオン全体の酸化数になるはずなので、Sの酸化数は「+6」だ。

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