KIMIKA!|基礎から学ぶ高校化学

水酸化物イオン・硫化物イオンなどによって作られるイオン結晶の沈殿について、その原理や条件・覚え方などを徹底解説!!

約 6 分

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はじめに

ここでは、水酸化物イオン・硫化物イオン・硫酸イオン・塩化物イオン・クロム酸イオン・炭酸イオンなど、主に「陽イオンの定性分析」で用いるようなイオンが形成する沈殿についてその原理や条件・覚え方などを徹底的に解説していこうと思う。(陽イオンの定性分析について詳しいことは「陽イオンの定性分析〜原理・目的・反応式まとめ〜」を見てね!)

水酸化物イオンOHの沈殿

「陽イオンの定性分析〜原理・目的・反応式まとめ〜」でやったように、Al3+やFe3+などの陽イオンを含む溶液に水酸化物イオン(NaOH溶液やNH3溶液)を加えると水酸化物の沈殿が生成する。

水酸化物イオンと沈殿を作る陽イオンはある程度決まっており、これに関してはきっちり暗記しておく必要がある。
  

イオン 水酸化物(沈殿)
Fe3+ Fe(OH)3
Fe2+ Fe(OH)2
Al3+ Al(OH)3
Mg2+ Mg(OH)2
Zn2+ Zn(OH)2
Cu2+ Cu(OH)2
Pb2+ Pb(OH)2
Ni2+ Ni(OH)2
Sn2+ Si(OH)3

注1:Fe(OH)2とMg(OH)2に関しては、溶解度が大きいため温度などによりすぐに溶けてしまうことがある。
注2:Hg+とAg+は水酸化物イオンOHと沈殿を形成するが、これは「水酸化物」ではない。

水酸化物が分解し、結果的に酸化物の沈殿になるんだね!

硫化物イオンS2-の沈殿

硫化物イオンの沈殿ができる条件は「イオン化傾向」によって異なる。

条件 イオン 硫化物(沈殿)
液性関係なし(酸性下でも塩基性下でもOK)

イオン化傾向がSn以下+Cd

Pb2+ PbS
Cu2+ CuS
Cd2+ CdS
Sn2+ SnS
Hg2+ HgS
Ag+ Ag2S
中性・塩基性下のみ

イオン化傾向がZn以下

Zn2+ ZnS
Co2+ CoS
Ni2+ NiS
Mn2+ MnS
Fe2+ FeS

イオン化傾向によって、液性に関する条件が変わるんだね。
イオン化傾向がSn以下のものとCdは全液性下で沈殿を形成し、イオン化傾向がZn以下のものは中性・塩基性下の条件で沈殿を形成する。(当然だがZn以下という条件にはSn以下という条件も含まれることになるね。つまり、イオン化傾向がSn以下のものは全ての液性で、イオン化傾向がZn以下かつSnより上のものは塩基性・中性下で反応するということだ。)

プラスの知識
なぜ硫化物イオンS2-は液性によって沈殿を形成するイオンが異なってくるのか。
そこについて、もう少し詳しく説明していこうと思う。

硫化物イオンは、水溶液中で以下のような平衡状態になっている。

もし溶液が酸性だったとすると、周りにH+の量が非常に多くなってるため「ルシャトリエの原理」によりH+の量が少なくなる方向、つまり左方向に平衡が移動することになる。

その結果、硫化物イオンS2-の量も同時に減るため、より沈殿ができにくい環境となり、イオン化傾向が高めで簡単には沈殿になりにくいZn2+,Fe2+,Ni2+などの金属イオンは沈殿にはならずそのまま溶液中にイオンの状態で存在することになる。

逆に、イオン化傾向が低く沈殿になりやすいSn以下の金属はたとえS2-の量が少なくても優先的にこれとくっつくことになるため、沈殿を形成しやすいんだね!

塩化物イオンClの沈殿

塩化物イオンは、基本的に3つの金属イオンとしか沈殿を作らない。
  

イオン 塩化物(沈殿)
Ag+ AgCl
Pb2+ PbCl2
Hg+ Hg2Cl2

簡単に覚えることができそうだね!

硫酸イオンSO42-の沈殿

硫酸イオンもほとんど沈殿を作らない。
  

イオン 硫酸塩(沈殿)
Ba2+ BaSO4
Ca2+ CaSO4
Pb2+ PbSO4
Sr2+ SrSO4


全て暗記してしまおう!

炭酸イオンCO32-の沈殿

炭酸イオンは様々なイオンと沈殿を形成するが、ここでは「陽イオンの定性分析」で頻出の2つを紹介しておこう。(陽イオンの定性分析については「陽イオンの定性分析〜原理・目的・反応式まとめ〜」を参照)
  

イオン 炭酸塩(沈殿)
Ba2+ BaCO3
Ca2+ CaCO3

クロム酸イオンCrO42-の沈殿

  

イオン クロム酸塩(沈殿)
Ba2+ BaCrO4
Ca2+ CaCrO4

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